2015/9/9

ごあいさつ

東濃地震科学研究所所長 石井 紘
東濃地震科学研究所
所長 石井 紘

日本の国土は美しい自然に恵まれています。しかしながら環太平洋地震帯に位置しており、世界でも有数の地震・火山国で地震・火山による被害は避けられません。しかしこの活発な地殻活動により、美しい国土や栄養豊かな土壌が生成され、多様な植物資源・海洋資源にも恵まれています。日本に生活する以上、地震のことをよく理解し対処していくことが必要です。

兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)が1995年1月17日に発生し、6,000人以上の人が亡くなりました。これを契機として、内陸活断層による内陸直下型地震に関する研究や地震防災の意識が高まりました。岐阜県および関係地方自治体の要望もあり、科学技術庁(当時)に認められ、東濃地震科学研究所は1997年4月設立にいたりました。

東濃地震科学研究所はこのような経過もあり、活断層による内陸地震と地域地震防災の研究を進めています。岐阜県、瑞浪市、土岐市をはじめ地元のご協力の下に地殻活動総合観測網の整備を図りながら調査・観測研究を進め、東濃地域の地殻活動の様相を明らかにしつつあります。地下水変動と地震発生との関係に関する研究も行っています。また、東海・東南海型の巨大地震の研究も視野に入れています。

当研究所に隣接した深地層地下研究施設を利用した観測やその施設を利用して深地層における総合観測可能な計器の開発なども行っています。このような開発により世界で最も深い地下深部(深度1,000m以上)のボアホール(立孔)に総合観測可能な計器を設置し、観測を行うことが可能になりました。このような計器は複数の研究所にも採用され、東海・東南海・南海地震の観測研究など広く利用されるようになり、社会の役にも立っています。世界中で発生した大きな地震による地震波は当研究所の観測計器で全て記録できるようになっています。

今後とも皆様のご期待に沿えるよう努力してまいりますので、よろしくご指導・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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